最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)621 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人森本正雄、同片山通夫、同山口伸六の上告理由第一点について。
原判決が引用する第一審判決理由中、上告人が本件借地に所有している建物を自
己の経営する旅館営業のために使用しているとの推認は、その挙示の証拠関係に照
し、首肯できる。そして、右原判示事実関係の下で、本件借地の地代については地
代家賃統制令の適用がないとした原審の判断は正当である(昭和三五年(オ)八六
一号、同三七年二月一五日第一小法廷判決、民集一六巻二号二六五頁参照)。�
所論は、旅館業法(所論中、旅館法ないし旅館営業法とあるのは、旅館業法の誤
記と認める)三条に関する判断遺脱を云為するが、上告人の原判示旅館営業につい
て許可を受けていたかどうかについては、原審でなんら主張もなく、したがつて、
原判決にその点の判断も示されていないものであるにかかわらず、所論は、右旅館
営業について許可のなかつたことを前提とするものであるから、上告適法の理由に
当らない。
同第二点について。
原判決の所論判断が抽象的であつて、理由不備または理由そごをきたすとの論旨
は、原判決を正解しないことによる独自の見解にすぎない。原判示の前記(第一点
前段)推認に所論の違法はない。所論は、ひつきよう、原審の専権たる事実認定を
非難するに帰し、採用しえない。
同第三点について。
原判決(その引用する第一審判決をふくむ)が本件地代について地代家賃統制令
の適用がないとしたことの正当であることは、第一点について説示したとおりであ
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る以上、所論(イ)ないし(ハ)の事実を認定する必要はないものであるから、所
論は採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎
裁判官 入 江 俊 郎
裁判官 下 飯 坂 潤 夫
裁判官 長 部 謹 吾
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